採用時に設定すべき「ペルソナ」とは?ターゲットとの違いや設定例もご紹介!

採用時に設定すべき「ペルソナ」とは?ターゲットとの違いや設定例もご紹介! 採用

皆さまは「ペルソナ」という言葉をご存じでしょうか。

ペルソナは簡単にいうとより具体的な空想の人物像というような意味合いです。

これは採用活動でも使用されており、自社が採用したい人物はどんな人なのかを具体的にイメージすることで、適切なアプローチができるようにするというものです。

採用をしても自社に合わずにすぐやめてしまうという経験がある場合はこのペルソナ設定を行っていないことが原因かもしれません。

今回はペルソナについて解説していきます。

ターゲットとの違いやペルソナを設定することによる効果、設定方法、設定例、設定する際の注意点などについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ペルソナとは?ターゲットとの違いとは?

ペルソナとは、元々はマーケティング用語です。

マーケティングでは企業や商品の典型的なターゲットとなるユーザー像をペルソナと呼びます。

ユーザー層といっても40代女性といった漠然とした情報ではなく、名前・年齢・性別・家族構成・趣味・価値観・ライフスタイルなど、プライベートな情報まで組み込んで実在する人であるかのように作り上げます。

ペルソナを設定して、そのユーザーが求める商品・サービスを設計することで実際のユーザーが求めるものも満たせる可能性が高くなるのです。

採用活動におけるペルソナは「自社に求める人物像」となるため、その人物像を採用するための活動が結果として採用要件を満たした人材の採用につながります。

ペルソナ設定は採用活動でも重要

日本は現在、若者の減少も相まって求職者数が求人数よりも少ない売り手市場となっているため、内定辞退や早期離職が起こると企業にとってのダメージは大きいです。

こういったことが起こってしまう大きな要因の一つとして、企業と就活生のミスマッチが挙げられます。

そんなミスマッチは企業の求める人物像が曖昧であることが原因かもしれません。

ペルソナ設定を行うことで、

・求める人物像の具体化
・自社にフィットした人材が求めるものの理解

ができるため、自社にフィットした人材を採用するための適切なアプローチが分かります。

また、求める人物像が具体化されることにより、どんな人材を採用すればいいかという採用基準が分かりやすくなるため、社内での採用基準の統一も容易になります。

ターゲットとの違い

ペルソナと似ており、勘違いされやすい言葉として「ターゲット」があります。

この二つは似て非なるものです。

ターゲットとは、その人の属性を表す要素に対してある程度の幅を持たせた情報となります。

例:20代、営業経験のある人

一方、ペルソナは、名前・年齢・性別・家族構成・趣味といった詳細な情報も含めた仮の人物を作り出したものとなります。

例:山田花子、25歳、女、彼氏あり、父母兄弟の5人家族、読書が趣味

ペルソナを設定することによる効果

ペルソナを設定するとターゲットの設定だけでは推測し得ないことまで考えることができます。

では、ペルソナを設定することによって得られる効果について具体的にみていきましょう。

採用のミスマッチを防ぐ

ペルソナを設定することで採用のミスマッチを防ぐ効果があります。

求める人物像を具体的にするので、自社が本当に採用したい人が明らかになるためです。

ターゲットの設定だけだと採用したい人物が曖昧なため、適切なアプローチができずにミスマッチにつながってしまう可能性があります。

さらに具体的な人物像を作ることによって、人事や経営者、現場担当者ともに求める人材の要件を統一できるため、面接を担当する人によって採用する人材層が異なるといったことも防げます。

適切な採用手法を選びやすい

様々な採用手法が利用されるようになり、複数の手法を組み合わせて採用活動を行うことも少なくありません。

どういった採用手法が適切かというのは求める人物像に合わせて考える必要があるため、ペルソナを作っておくと具体的にイメージしやすくなります。

求職者の視点を理解しやすい

採用活動をする上で求職者がどう思っているかを理解することは非常に重要です。

「企業が伝えたい情報」と「求職者が求める情報」は必ずしも同じではないため、求職者の視点を理解できていないと魅力を伝えきることは難しいでしょう。

ペルソナを設定して「その人物がどのような情報を求めているのか」を考えることで、より求職者に近い視点で情報を発信することができるのです。

ペルソナで設定するべき内容

ペルソナを設定することは多くのメリットがあります

では、実際にペルソナを設定する際、どのような内容を盛り込めばいいのかについて解説していきます。

ペルソナに設定するべき項目

具体的には、下記のような項目を設定するとよいでしょう。

・基本的な情報(氏名、年齢、性別、住んでいる場所など)
・職業(勤めている企業の業種・職種、具体的な仕事内容、役職、年収、最終学歴)
※学生の場合は大学の学部

・人間関係(家族構成、恋人・配偶者・子供の有無)
・価値観・性格
・よく使う媒体(各SNS、Google、Yahoo!、NETFLIXなど)
・休日をどのように過ごすか
・過去のエピソード(受験時や学校生活でのエピソード、転職を決めたきっかけなど)
・現在の仕事における役割(チームの中での役割やどんな気持ちで働いているかなど)
・将来のビジョン(最終的に自分がどうなりたいのか)

ペルソナはなるべく細かくパーソナルな部分まで設定をすることで、効果的な訴求方法が考えやすくなります。

ペルソナの設定例

では、上記の項目をもとにペルソナを設定した例を見てみましょう。

【基本的な情報】
田中太郎(26歳)男性/東京都渋谷区
【職業】
エンジニア、年収500万円、係長(国立大学工学部卒)
【人間関係】
未婚、一人暮らし、恋人あり
【価値観・性格】
コミュニケーション能力が高いものの比較的穏やかな性格で、あまりグイグイいくタイプではない
【よく使う媒体】
Twitterをメインでよく利用する、連絡はすべてLINE、YouTubeをよく見ている
【休日をどのように過ごすか】
週末はデートに出かけることが多いが、インドアな遊びが多い
【過去のエピソード】
大学時代は飲食店のキッチンスタッフのアルバイトをしていた。
就活では「あまり人との接触が多くない職場」を重視して、エンジニアとして就職。
しかし、社外案件の担当になってしまい、取引先企業に常駐して勤務する形態が合わずに転職を希望した。
【現在の仕事における役割】
・取引先企業に常駐し、エンジニアとしての業務に従事している
・基本的には依頼された内容に対応している
【将来のビジョン】
・社内エンジニアとして縁の下の力持ちとして働きたい
・エンジニアとしてのスキルを高めたい

ペルソナを設定すると、自社に入社してほしい人がどんな不満を抱えているのか、どんなキャリアを臨んでいるのかが想像しやすいですね。

ペルソナを設定する方法

では実際にペルソナを設定していきましょう。

しかし、ペルソナは適当に作ってしまうと実際の求める人物像とかけ離れてしまい、意味をなさなくなってしまいます。

ここではペルソナを設定する方法についてご紹介します。

①採用要件や求める人材を関係各所にヒアリング

ペルソナを設定するために、まずは会社としてどんな人材を求めているのかを確認する必要があります。

まずは経営陣からも会社としてどんな人材を求めているのかを確認しましょう。

今欲しい人材のスキルや能力だけではなく、中長期的に働いてくれるようなポテンシャルだったり将来のビジョンといった要素もしっかりとヒアリングした方が、効果的な採用になります。

②実際に一緒に働く現場担当者からもヒアリングする

会社として求める人材が必ずしも現場の求める人材と一致しているとは限りません。

経営陣からのヒアリングだけでは、入社後に周囲の従業員から不満がでることも考えられます。

実際に一緒に働く現場の社員でないと分からないスキルや経験もあるため、必ず現場からも情報を集めましょう。

③仮のペルソナを設定して関係者と認識を合わせる

ここまで情報を集めたら、一旦仮のペルソナを設定して、関係各所と認識合わせをしましょう。

年齢や性別、経験、保有スキル、性格など、ヒアリングした情報をもとにペルソナを考えます。

最初から確定させようとせず、まずは自由に人物像を作ってみましょう。

ここでポイントなのが、仮とはいえなんとなく作るのではなく、何かしらの根拠を持って作ることです。

現場で不足しているスキルを持っていそうな人物を想像したり、自社で活躍している人材から想像したりといったような形でどうしてこのペルソナにしたのかが説明できることが重要です。

仮のペルソナを作ったら経営陣や現場の社員へ確認し、適切なペルソナになっているか意見を出し合います。

また、ペルソナを作ると無意識に理想を設定してしまいがちなので、

・「MUST(必須)要件」
・「WANT(あると望ましい)要件」
・「NEGATIVE(不要)要件」

の3つに分けて設定していくと、現実的なペルソナを設定しやすくなります。

④実際にペルソナを採用活動に活用する

ペルソナを設定したら実際に採用活動に活用してみましょう。

ペルソナに有効な採用手法は何か、選考回数はどの程度がいいか、面接ではどういった質問をするかといったことをペルソナをもとに計画します。

選考基準もペルソナをもとに決めれば、人事・現場・経営陣での基準のずれも軽減されるでしょう。

ペルソナを設定する際の注意点

ペルソナ設定は採用活動において重要ですが、適当に設定してもその効果は発揮できません。

ここではペルソナを設定する際の注意点についてご紹介します。

ペルソナを設定した目的を忘れない

ペルソナはあくまで自社が求める人材をより具体的に想定したものです。

理想の人物を作り上げるものではありません。

しかし、自社が求める人材の特徴を上げていくとスーパーマンのようなペルソナができてしまうことも多いです。

スキルや能力だけでなく、人間性や性格、どんな価値観を持っているかといった面も含めて現実的な人物像を設定するようにしましょう。

定期的にペルソナを更新する

企業は日々変化します。

採用したい職種はもちろん、会社の風土や人間関係も変化します。

なので、最初に設定したペルソナがずっと当てはまるとも限らないのです。

時代によって求職者の属性も変化するので、そういった要素の変化に合わせてペルソナも定期的に更新していきましょう。

ペルソナを設定して採用活動成功させよう!

ペルソナ設定は採用活動において非常に重要な役割を果たします。

ただし、適当に設定すればいいというものでもありません。

本記事の内容を参考にして適切なペルソナを設定し、採用のミスマッチ防止や効果的な採用活動に役立ててください。

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