ソーシャルリクルーティングとは?成功するためのコツと失敗しないための注意点

ソーシャルリクルーティングとは?成功するためのコツと失敗しないための注意点 採用

従来の求人広告に頼った採用手法に加えて、近年は様々な採用手法が取り入れられています。

その中でも急激に増えている手法として「ソーシャルリクルーティング」があります。

ソーシャルリクルーティングはTwitter、Instagram、YouTube、TikTokといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使った採用活動のことで、最近、活用する企業が非常に増えています。

今回は、そんなSNSを利用した新たな採用活動「ソーシャルリクルーティング」について解説していきます。

ソーシャルリクルーティングを成功させるコツや失敗しないための注意点についてもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

ソーシャルリクルーティングとは?

ソーシャルリクルーティングとは、TwitterやInstagram、YouTube、TikTokといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用する採用活動のことを指します。

日本ではTwitterを主流に2010年ごろから普及し始め、現在ではプライベートだけの利用に限らずビジネスでの利用も非常に増えてきました。

そんな中で、企業では各SNSを使った採用活動が行われるようになってきたのです。

求人サイトを利用した採用活動とは違い、求職者と直接つながりを持てるため、より密なコミュニケーションが取れるという特徴があります。

SNSを利用している人口は右肩上がりになっている現在、ソーシャルリクルーティングの導入も検討する価値があるといえるでしょう。

ソーシャルリクルーティングの歴史

世界ではすでに導入が進んでいたソーシャルリクルーティングですが、日本で初めて導入されたのは2009年ごろ、某IT企業で実施されました。

そこから2010年にFacebookが大手人材バンクと連携し、いくつかのIT企業でFacebookからの採用枠を用意し始めます。

その翌年にはLinkedInなどの海外企業が日本にも参入してきたため、急速に普及しました。

ソーシャルリクルーティングの特徴

ソーシャルリクルーティングは従来の求人を掲載して求職者からの応募を待つだけの採用活動とは性質が違い、求職者と直接つながって自らアプローチができるという特徴があります。

従来の求人サイトが「待ち」の採用だったのに対し、ソーシャルリクルーティングは「攻め」の採用だといえるでしょう。

これは、若者の減少や有効求人倍率の上昇により、優秀な求職者の奪い合いが激化していることが要因だと考えられます。

また、求人サイトと異なり、応募前の求職者ともコミュニケーションができるSNSでは、普段の投稿を通して、履歴書や職務経歴書だけでは判断できない人となりを知る機会が得られます。

さらに、普段の投稿を工夫することで、自社のブランディングも効果的に行えます。

普段の投稿から自社のブランディングをしつつ、いいと思った人に自らアプローチしていけるソーシャルリクルーティングは今後の採用活動において必須ともいえる手法だといえるでしょう。

ソーシャルリクルーティングを活用する目的

ソーシャルリクルーティングを利用する最大の目的は「優秀な人材」の確保です。

今の時代、インターネットやSNSの活用はビジネスにおいても必須ですが、ソーシャルリクルーティングで対象となるのはそれらを使いこなしている層になります。

そういったポテンシャルを持っている層を採用するためには、ソーシャルリクルーティングが非常に適しているのです。

ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い

ダイレクトリクルーティングとソーシャルリクルーティングの違い

ソーシャルリクルーティングと類似したものに、ダイレクトリクルーティングがあります。

ダイレクトリクルーティングとは求人広告など求職者からのアクションを待つのではなく、企業自ら求職者にアプローチをする採用手法です。

ソーシャルリクルーティングはSNSを活用して求職者に直接アプローチする手法なので、ダイレクトリクルーティングのの一部だといえます。

他のダイレクトリクルーティングのアプローチ方法といえば、SNSのほかにも人材バンクやタレントプールを活用する方法があります。

ソーシャルリクルーティングに活用できるSNS

ソーシャルリクルーティングに活用できるSNS

現在、様々なSNSがありますが、その中で主に採用に活用されているのは以下になります。

・Twitter(ツイッター)
・Instagram(インスタグラム)
・Facebook(フェイスブック)
・LinkedIn(リンクトイン)
・YouTube(ユーチューブ)
・TikTok(ティックトック)

利用するSNSによってアプローチできるユーザー層やアプローチする手法も変わってきます。

それぞれのSNSの特徴についてご紹介します。

Twitter(ツイッター)

Twitterは140文字以内のテキストと画像やGIF、動画を使って投稿するSNSです。

利用者数は非常に多く、若年層から中年層まで幅広いユーザーが利用しています。

最近では採用専用のアカウントを運用している企業や、企業の社長や人事が積極的に発信しているケースも多いです。

拡散性も高く、採用にも利用しやすいSNSだといえるでしょう。

Instagram(インスタグラム)

Instagramは画像や動画などの視認性の高いコンテンツを投稿するSNSです。

ユーザー数も急速に増えており、20代をはじめとした若い女性の利用者が多いという特徴があります。

コロナ禍で面接もオンラインになる時代ですが、会社の雰囲気やどんな人が働いているのかを伝えられるという点で採用に活用しやすいSNSといえるでしょう。

Facebook(フェイスブック)

Facebookは実名登録で利用するSNSです。

その特徴から、家族や同級生、会社の同僚と繋がっているユーザーが多いです。

また、年齢層は中年層が多く、採用として活用するのであれば経験者層が向いているかもしれません。

ちなみにFacebookはSEOにも強いと言われているため、企業名を検索した時にFacebookページも検索結果に表示され可能性も高いです。

LinkedIn(リンクトイン)

LinkedInは他のSNSとは違い、ビジネス色が強いという特徴があります。

転職活動でも積極的に利用されており、採用活動で利用するには最も使いやすいSNSの一つです。

求職者も自身のプロフィールにスキルや能力、経歴を記載しているため、人となりをある程度知った状態でアプローチできます。

日本ではまだ他のSNSと比較するとユーザー数はそこまで多くないですが、ソーシャルリクルーティングを始める第一歩におすすめのSNSです。

YouTube(ユーチューブ)

YouTubeは性格にはSNSとは違うのですが、長尺動画からShortsといったショート動画までアップできるSNSと似た性質をもつサービスです。

企業の紹介動画やオフィス紹介動画といった形でよく利用され、他のSNSを始めとしたオウンドメディアとの組み合わせが非常に効果的です。

拡散性は高くないので、単体での利用はあまりおすすめしません。

TikTok(ティックトック)

TikTokは最近急速にユーザー数を伸ばしているSNSで、数十秒のショート動画から10分の長尺動画までアップできます。

最近では企業全体でTikTokに取り組んでいたり、社長をピックアップしたアカウントも多く存在します。

TikTokには10代をはじめとした若年層のユーザーが多くいるため、採用に関しては特に新卒採用を目的とした利用が多いようです。

ソーシャルリクルーティングのデメリット・メリット

ここまでのお話でソーシャルリクルーティングに興味が湧いた方もいらっしゃるかと思います。

しかし、実際に運用した際にどのようなリスクがあり、その結果として何が得られるのかが分からないと導入までは難しいのではないでしょうか。

ここでは、ソーシャルリクルーティングのデメリットとメリットについて紹介します。

ソーシャルリクルーティングのデメリット

まずはソーシャルリクルーティングをする上でのデメリットやリスクについてみていきましょう。

運用に手間がかかる

ソーシャルリクルーティングではただSNSで企業の情報を発信していればいいというわけではありません。

いかに求職者に興味を持ってもらうか、どうやったら自社の魅力を伝えられるかを考えた投稿をする必要があります。

また、場合によっては複数のSNSを運用する場合もあるため、それぞれで投稿を考える必要があり、手間がかかってしまいます。

さらに、SNSでフォロワーを獲得するには日々の投稿に加えてユーザーとのコミュニケーションも、長期間継続して運用しなくてはいけません。

ソーシャルリクルーティングを導入する際はそれなりの手間がかかるのを覚悟のうえで始める必要があります。

マイナスブランディングになる可能性もある

SNSは良くも悪くも多くの人に拡散される可能性があります。

内容によっては会社としての評判が下がる内容が拡散されることもあります。

なので、しっかりと内容を精査しないと逆効果なんてことになってしまうリスクがあるのです。

また、更新が滞ってしまうと、定期的な更新ができない会社というイメージがついてしまう可能性がある点にも注意が必要です。

炎上のリスクがある

マイナスブランディングになるというのと似たような内容にはなりますが、SNSには炎上のリスクがあります。

炎上とは、SNSでの投稿に対するコメント欄で誹謗中傷や攻撃的な発言が集中している状態のことを指します。

この状態になってしまうと、最悪の場合会社の経営にも多大なダメージを与える結果になりかねません。

企業アカウントでも時々その発言で炎上をしている場を見かけますので、社内でダブルチェックを心がけるなど、運用方法の中で炎上のリスクを軽減させる対策は必須だといえます。

ソーシャルリクルーティングのメリット

ソーシャルリクルーティングには様々なリスクがありましたが、そのリスクさえクリアにしてしまえば多くのメリットがあります。

では、ソーシャルリクルーティングのメリットを見ていきましょう。

まだ応募意欲の低い優秀な人材に直接アプローチできる

ソーシャルリクルーティングは先述の通り、「攻め」の採用手法です。

応募を待つ手法ではないため、まだ応募意欲は低いものの今後応募につながる可能性のある潜在層にもアプローチすることができます。

従来の求人を掲載して待つ手法ではアプローチすらできなかった層ともマッチングできる可能性があるのです。

双方向からのコミュニケーションができる

SNSはもともとインターネットを介して世界中の人々とコミュニケーションが取れるサービスです。

つまり、SNSを利用した採用活動であるソーシャルリクルーティングでは求職者と気軽にコミュニケーションが取れるというメリットがあるのです。

従来の企業から求職者に一方的に伝える採用手法とは違い、投稿に対する求職者からのいいねやコメントといった求職者側からのコミュニケーションもでき、企業は求職者が何を知りたいのか、どんなことに興味があるのかといったパーソナルな側面も知ることができます。

採用コストが抑えられる

SNSは基本的に利用料はかかりません。

通常、求人サイトに掲載をする場合、数万円~数十万円の費用が発生してしまいます。

さらに、それは求人募集をするたびに発生するため、積み重なると非常に高額になります。

しかし、ソーシャルリクルーティングでは基本無料で運用ができ、且つ過去の投稿やフォロワーなどは積み重なっていくため、続ければ続けるほどコストを抑えることができます。

最初の立ち上げは大変ではあるものの、軌道に乗せられれば逆に手間もコストも抑えられる可能性があるのです。

履歴書だけでは知りえない人柄が知れる

SNSで求職者用アカウントとして運用している人はお送りますが、基本的にはプライベート利用がほとんどです。

つまり、履歴書や職務経歴書といった書面だけでは知りえない情報までもがSNSには存在するのです。

自社に応募をしてくる求職者にはどんな人が多いのかといったデータも取れたりするので、今後の採用活動に生かすこともできます。

ソーシャルリクルーティングのコツ

ソーシャルリクルーティングにはリスクもあるものの、しっかりと運用できれば多くのメリットが得られます。

しかし、ただ機械的に運用するだけでは多くの効果を得ることは難しいです。

ここでは、ソーシャルリクルーティングを成功させるためのコツについてご紹介します。

誰に向けて発信するのかを事前に決める

情報発信をするのはもちろんですが、ただ適当に発信し続ければいいというわけではありません。

自社にどういった人が入社してほしいのか、その人はどんな情報に興味があるのかといったターゲットをしっかり定めた投稿方針を定めなくてはソーシャルリクルーティングで結果を出すのは難しいでしょう。

あまりターゲットを広くとりすぎずにある程度絞り込み、接触したい候補者に響く内容を投稿した方が効果が出やすいです。

SNSと採用サイトの連携を意識する

SNSは拡散性が高く、多くの人の目に届けられる反面、投稿内容にそこまで多くの情報が載せられないという面があります。

なので、採用に関する情報がたくさん載っている採用サイトに遷移してもらえるような工夫が必要です。

プロフィール欄にURLを載せたり、投稿の中で採用サイトへ誘導するような文言を含めたりすると効果的です。

また、SNSは多くの場合スマートフォンで利用されています。

なので、そのまま採用サイトに遷移してもストレスなくみられるよう、スマートフォン用サイトを用意するといった施策も採用成功に近づく手段のひとつでしょう。

インフルエンサーと関係を築く

インフルエンサー(influencer)とは、ユーザーの消費行動に強い影響を与える人物のことを指します。

一般的には各SNSで多くのフォロワーを抱えている人のことを言われることが多いです。

インフルエンサーが発信するだけで多くの人の目に届けられるだけではなく、そのインフルエンサーの信頼度が加わるので、見ている人の見方も変わってきます。

SNSという莫大なデータベースを活かす

SNSのプロフィールには求職者の色々な情報が含まれています。

これはどんな属性のユーザーが自社に興味あるのかを知る莫大なデータベースとなります。

書面だけでは判断できない求職者の将来的な活躍のイメージを脳裏に描きつつ、SNSをデータベースとして活用していくことも重要です。

従業員紹介プログラムを実践する

従業員紹介プログラムとは、SNSを通して自社の社員に求職者の紹介を促す方法です。

SNSを使ったリファラル採用と考えてもらうとイメージしやすいと思います。

SNS上で既に関係が築かれている社員と求職者の間でやりとりが行われるため、他人が説明するよりも会社に興味を持ってもらいやすく、採用成功に至る可能性が非常に大きいのが特徴です。

効果的なソーシャルリクルーティングで採用成功へ

SNSを利用している人は年々増え続けています。

それだけソーシャルリクルーティングには可能性を秘めている反面、適切な運用ができないと失敗してしまうリスクもあります。

この記事を参考にして、リスクを避けつつ効果的な採用活動につなげていただければ幸いです。

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