いい上司になるための部下や後輩への「叱り方」とは?

いい上司になるための部下や後輩への「叱り方」とは? 教育

「部下や後輩はほめて伸ばすべき」といわれることもありますが、何か過ちを犯してしまった場合にしっかりと叱るのも上司や先輩の役割です。

しかし、叱ることで「部下がやる気を失ってしまうのではないか」「関係性が崩れてしまうのではないか」と気にしすぎてしまい叱れない上司がとても多いのが現状です。

今回はそんな方のために、部下や後輩への正しい「り方」を解説していきます。

叱るのは決して悪いことではない

上司や先輩といった誰かを指導する立場にいる人でも「叱る」という行為にマイナスイメージを持ってしまっているケースは少なくありません。

叱られた立場のことを考えると、当然いい気分はしないでしょうし、落ち込んでしまう気持ちも理解できるだけに避けてしまうのでしょう。

しかし、そのようなうわべだけいい人を演じた上司が果たして「いい上司」なのでしょうか。

この上司は何をしても怒らないとなめられてしまうかもしれませんし、自身も言えないストレスが溜まってしまうかもしれません。

叱ることは決して悪いことではないです。

部下や後輩が間違いを犯したときに叱ることで、本人たちにその間違いをしっかりと認識し改めてもらうことは、本人にとっても会社にとっても必要なことなのです。

ただし、理由も説明せずに頭ごなしに責めるような行為はあまり意味がありません。

叱る目的はあくまで失敗や間違いをしっかりと認識し、次に生かすことです。

叱る際は、失敗や間違いを責めるものではないということをしっかりと意識するようにしましょう。

「叱る」と「怒る」の違いとは?

叱るという行為に似たものとして「怒る」というものがあります。

この違いは、「叱る」のが相手の成長を目的として指摘をするものに対して、「怒る」のは相手を責め立てることを目的としている点です。

例えば、部下や後輩が失敗をした際に、「なぜ失敗したのか」「失敗しないためにはこうしたらよかったのではないか」というように、今後同じ失敗を繰り返さないよう注意・指摘する行為は「叱っている」といえます。

しかし、「お前が失敗をしたせいで俺の評価が落ちた」「この失敗はどう落とし前をつけるのか」というように、相手の失敗を責めるだけの行為は「怒っている」といえるでしょう。

上司がすべき行為は「怒る」ことではなく「叱る」ことです。

部下や後輩が成長できるようにしっかりと叱りましょう。

叱るときは「なぜ叱っているのか」を伝える

怒るよりも叱ることが大事であると説明しましたが、相手に「なぜ叱っているか」が伝わっていないと、叱られている人はただ怒られていると感じてしまっているかもしれません。

相手の成長を想って叱っているのだと伝わるように、なぜこんなことを言うのかというのはしっかり説明しましょう。

また、一方的にり続けていると高圧的に感じてしまうことがあるので、部下や後輩がどう思っているかを聞くことも大事です。

なぜ叱られているかを理解したうえで、自分の考えも伝え、それに対してアドバイスがもらえれば、その上司に対してマイナスの感情を抱くこともなくなるでしょう。

「優しい言葉」の中に「注意したいこと」を含める

適切な叱り方をしていてもうまくいかないことはあります。

そんな時は心理テクニックに頼ってみるのも一つの方法です。

心理学では「初頭効果(しょとうこうか)」と「親近効果(しんきんこうか)」という言葉があります。

初頭効果は「第一印象が大事」、親近効果は「最後の印象が一番大事」ということを表した言葉です。

つまり、心理学的にいうと最初と最後が印象に残りやすいということなのです。

この考え方は叱るときにも使うことができます。

印象に残りやすい最初と最後に優しい言葉を伝えることで、その間で厳しい言葉があったとしても優しい言葉をかけられたという印象が強く残るのです。

なので、まずは「よく頑張っているね」とねぎらいの言葉をかけ、叱りたい内容を伝え、最後に「でも、いつもありがとう」と感謝の言葉を伝えるといった流れにすると悪い印象が付きにくいです。

伝え方ひとつで印象が変わるのであれば実践しない手はないですね。

失敗を繰り返してしまう部下や後輩へのり方

いつもは優しく指摘していても、何度も同じ失敗を繰り返されるとイライラしてしまうことはあると思います。

しかし、そのイライラをぶつけても解決には近づきません。

繰り返し失敗してしまうのには必ず理由があるはずですので、こうした方がいいと伝えるだけでなく、そもそもなぜ失敗をしてしまうのかという原因を一緒に探ってあげましょう。

またこの時、一方的に質問攻めにしたり伝えるだけにならないよう、双方からのコミュニケーションを取ることを忘れないでください。

そうして原因が分かったらそれに対する改善策を伝えます。

原因が分かったうえで改善策を伝えるのと、ただ改善策だけだけ伝えるのでは全然意味が違います。

そして改善が出来たら必ず褒めてあげましょう。

こうしたサイクルを繰り返すことで少しずつ改善されていき、成功体験も増えて自信もついてきます。

失敗にイライラした時は昔を思い返してみましょう

部下や後輩の失敗にイライラしてしまうこともあるかもしれません。

その状態で叱ろうとしても、ただの怒りになってしまいかねません。

そんな時は自分が新入社員だったころを思い出してみてください。

誰しも仕事ができない時期はあったはずです。

その頃の気持ちを思い出せば、少しはイライラも収まるのではないでしょうか。

さらに、叱る際に自身の経験も交えて伝えることで、部課や後輩との距離も縮められるかもしれません。

自分にも同じ時期があったというのを忘れずに、部下や後輩に親身になって接してあげてください。

正しい叱り方でいい上司になりましょう!

部下や後輩の指導に頭を悩ませている方は少なくありません。

叱るのが苦手、叱ったことがそもそもないという人もいると思いますが、叱ることは部下や後輩の成長にもつながる大事なことです。

いい上司としての叱り方を覚えて、部下と後輩の成長に役立ててください。

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